地域サロンではありませんが、明るい光が差し込む空間で、
80代を目前にして、穏やかで平和な生活を送っていらっしゃるご夫婦の
微笑ましい会話を耳にする機会がありました。
話題を投げかけたのは、奥様の方でした。
「日本全国って、一都一道二府47県なのよね?私が子どもの頃は46県って習ったけれど、
沖縄県が入ったから、今は一都一道二府47県でしょう?あなた、全部言える?」と。
ご主人様は、全部合わせて47じゃないか?と言っておられたようですが、
奥様は譲りません。
「一都一道二府っていうのは、東京と北海道、京都・大阪のことよ。県じゃないのよ。
だから、県だけで47あるはずよ。子どもの頃、‟一都一道二府46県”って、ちゃんと習ったもの。」
「そんなにあるか?」
(明らかにご主人様の認識が正しいのですが、奥様の勘違いの記憶は
かなり根深く、‟まちがいない”と言い切ります。)
本がぎっしり詰まった書棚もあるのに、地図帳を見たら、都道府県あわせて47だって、
はっきりするのにな~、と思いながら、
でも、きっとこれは、認知予防の脳トレの会話を意識していらっしゃるのだから、
余計な事を言ってはいけない・・・
ガマンガマン・・。
日本に51都道府県がある、という主張のままの奥様は、
「全部言える?言ってみて?」
とご主人様に迫ります。
「言えるけど、言わなくても、数はわかるよ?九州7県だろ?
四国4県、東北6県・・・」ご主人様の数え方の方が合理的。
男性性と女性性を感じながら、聞いておりますと、、
・・・しかしここが、年齢のせいか、肝心の本州中央部の区切りが曖昧になられていて、
「ほら、だから、やっぱり北の方から順番に言って数えて行った方がいいのよ」
と奥様。
ご主人様は、素直に、従います。
「青森、秋田、山形、・・・・」
(でも、51はないと思う。)
と思っていることを、奥様以上には主張しません。
ああ、
きっと、これがご夫婦を長らく円満に営んでいらっしゃるバランスなのかな。。
正しい知識を持っている方と、口が達者な方が分かれている方が平和なのかも・・。
温厚なご主人様の疑問符の余韻が愛らしく、
自分の思っていることは、ハキハキと主張する奥様の明るさ。。
自分の正しさを主張したい、または正解を確かめたい二人だったら、
おそらく即、辞書や地図が登場していることでしょう。
でも、そんなことをしなくても、
もしお互いが自分の正しさを主張するよりもむしろ、その会話そのものを味わい
楽しめる。
これが、きっと夫婦円満の秘訣なのかしら、
聞いている方も、こころがほんわかする、お二人のひと時でした。(Mm)