3連休に入りました。
今年は年初より始まったコロナ禍で、夏の祭りや秋の催しなど、
様々な予定やイベントがなくなったせいで、季節感が追い付かない方も多いことでしょう。
このような日々、歳時記をながめるのも失いそうになる季節感を取り戻す一つの方法かもしれません。
"正岡子規らを生んだ松山市は俳句の都と名乗り、五七五文学の振興に力を注ぐ。
投稿サイトまで運営しており、時々のぞかせてもらっている
以前そこに見かけ、今年何度となく思い出した一句がある。
〈一斉に 野球部虹へ 飛び出せり〉(あつちやん)。
雨があがり、空に虹がかかり、待ちかねていたようにグランドに駆け出す野球少年の姿が浮かんでくる
歳時記の七十二候のうち、虹に触れる候は二つある。
〈虹始見・にじはじめてあらわる〉(4月15日頃)と、〈虹蔵不見・にじかくれてみえず〉(11月22日頃)である
暦の上では、この3連休の間に虹の季節が終わりを告げる。来年はどうなっているだろう? 野球部員が一斉にグランドに駆け出すとき、人との距離を気にせず、大声を掛け合う景色が戻っていることを夢のように思い描いてしまう。
松山市のサイトでは、冬を前に「くしゃみ」を季題として投稿を募った。その中から、ふしぎと元気をもらえる句を一つ。
〈くしゃみして 満点の星 散りにけり〉(田中一升)。何におびえることなく、痛快にハクションのできる生活に
いずれは帰りたい。”
(読売新聞 “編集手帳” 11月21日)
人と関わりづらい分、しっかり暖かくして近所を散歩でもしながら
キーンとした空気や草木の様子など、季節の気配を体内に取り込む時間があると、
少しはいつもの調子を取り戻せるかもしれませんね。