自由に外出できないコロナ禍になってから、はや1年がたとうとしています。
最初の緊急事態宣言が出た時には、急変した生活事情を少しでも工夫して
運動を取り入れるなど心掛けていた方も多いと思います。
その時に新たに取り入れた、なんらかのステイホーム対策が習慣となっている方は
今も、なんとか健康を保っていらっしゃることと思います。
でも、なんとか我慢してきた方、
コロナ禍の自粛=運動不足として慣れてしまっていませんか?
2週間ぶりにお会いした高齢の男性の方が、「足が動かなくなった」と深刻な表情でおっしゃるのです。
長いお一人暮らしで、買い物も手洗いの洗濯も、なんでも一人でして、よさそうなお掃除グッズの話を聞くと、電車に乗って街中まで買いに行かれるような、普通の健康な方です。
12月ごろにお目にかかった時は、前よりも少しソファーに横になってテレビを見ていることが多くなったとおっしゃっていたと思いますが、「少し横になる」という姿勢がだんだん長時間になって、家の中で歩くことさえ気力がなくなってきたようなのです。
そんなお話を聞いて、すぐさま、フレイル予防の体操や、テレビ体操などをお勧めしてみましたが、
もう、気力が全然起きないのだそうです。
日本老年医学会が発表した資料によると、
2週間寝たきりの状態で失われる筋肉量は、自然な状態だと7年間で失う筋肉量に匹敵すると警告しています。
今月15日の道新にも、その内容が載っており、その男性も切り抜きを手元に置いて気にしていらっしゃいました。
情報はわかっている、でも筋力が衰えてしまうと、すべての気力の衰えの方が勝るのだという怖さを
ご自分がひしひしと感じていらっしゃるようでした。
サロン活動などを通じて日頃から繋がっている仲間などがいれば、互いに声をかけ合うなど
焦る気持ちだけでも、少し落ち着くことと思います。
その方にはデイケア利用やサロンへの参加など、お知らせしつつ、
7年前依頼疎遠になっているという地域の包括センターに繋がることをお勧めしました。
自分ひとりで頑張らないで、できれば不具合が生じてからではなく、予防の段階で地域の仲間のいる場所に繋がっておくことが
公的な支援以上に心強いものであることを、感じながら帰ってきた次第です。
どうぞ皆様、簡単な運動を、なさってくださいませ。